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会報 2008年  10月 11月 12月 2009年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 9月 10月 11月 12月


会 報 バックナンバー  Web版 2008-10月 〜 

 

●会報 10月号  2008/10/15

中学・高校部会

●肆矢先生(國學院高)

<ガスバーナーの演示実験>
@ガスバーナーを分解。
A空気調節ねじとガス調節ねじを外して点火。
B外炎と内炎の温度測定。
 【温度計付デジタルマルチメーター】(熱電対温度計−20〜1000℃)1200円
  秋月電子、東京都千代田区外神田1-8-3 野水ビル、TEL 03-3251-1779
C内炎にマッチを入れる。
Dガスバーナーの火に針金、割りばしを入れる。
Eオレンジ色の火で空の試験管を加熱。→すすが付着 
F食塩を融かす。
G銅板を酸化・還元する。
※先生方からのアドバイス
・ガスバーナーを分解して各部品をスケッチさせることにより、ガスバーナーの 構造をしっかり理解させることができる。
・火の強さの調節が重要である。強火、中火、弱火を実際に見せておくことが必要である。
・女子生徒には髪の毛を束ねるように指導したい。
・消火するとき、ねじを締めすぎないようにする。ねじを一旦締めてから、少し戻しておくとよい。
・着火のときマッチを使用している:6人、着火マンを使用している:5人
・マッチの擦り方を指導したい。最近マッチをうまく使えない生徒がみられる。


●小松先生(東大附属中高)

概要
・映画紹介Eames Films:チャールズ&レイ・イームズの映像の世界
 「パワーズ・オブ・テン」価格3990円販売元角川エンタテイメント
・日私研夏の研修会発表「探究型の課題でつくる高校化学の新しい取り組み」の報告
 セッコウ玉子づくりのやり方を授業映像でみていただきました。夏は水風船を専用クリップで止めましたが、その後の授業実践から、結わえるのが最も良いということがわかり、うまく結べる方法を皆さんに紹介しました。
 [実験参考:平松茂樹,化学と教育,2008,56(4)、188妻木貴雄,化学と教育,1944,42,(4)248]
・新しいカリキュラム「イオン交換反応」の検討
 中学でイオンが無くなった生徒に化学Tとしてイオンの学習をどう進めるか
検討しています。新しい授業ストーリーを検討していただきました。
 [実験参考:2007.12.08.都理研発表資料 加藤優太先生(都荒川工)]


●吉田先生(開成中高)
1.ペーパークロマトグラフィーできれいに分離する溶液の紹介
 (授業で使える小技の紹介)(実演)
 メロンシロップ(緑)での実験で、青色1号と黄色4号の分離をペーパークロマトグラフィーで最終的に行うが、メロンシロップから行うときは色素を毛糸で取り出し、再び溶出させて、その溶液を数時間煮詰めなければならないので面倒である。青色4号、黄色1号の混合で緑色素溶液をつくって分離させると簡単である。展開時間は10分程度あればきれいに分離が確認できるので、授業や実験でも非常に使いやすく、溶液を作っておくと大変便利である。食用色素は少量で良いのでスーパーで点眼ビン程度の大きさのもの(2gくらい)なら200円程度。この混合でできた食用緑もあるのでそれを使うという方法もある。

2.学会のホームページについて(独自のHPアドレスをとる)
 現在のホームページは日本私学教育研究所のサーバーの一部をお借りしているので、ホームページアドレスが分かり辛くなっている。紹介するにも教えにくく、また、過去の会報のページは別アドレスになっており色々と問題がある。年間約1万円位でわかりやすい個別アドレスがとれて、いろいろとメリットもあるので、この際運用してみてはどうかという提案をした。予算的には可能で、参加者の賛同も得られたので、会長の判断で、独自のアドレスをとることになった。



●会報 11月号  2008/11/20

中学・高校部会

●宮本先生(開成中高)
 朝日小学生新聞連載の「わくわく理科タイム」から,真空保存容器を使った実験を紹介。わくわく理科タイムの記事は,ネットで「わくわく理科タイム」で検索すれば,バックナンバーが見られます。
プリント
・「真空保存容器で湯をわかそう」 わくわく理科タイム :真空保存容器を用いて減圧沸騰
・「真空保存容器で楽しく実験」 わくわく理科タイム : 真空保存容器を用いたいろいろな実験(マシュマロをふくらますなど)
・温めていないのに沸騰!? : 丸底フラスコを用いた減圧実験と噴水実験

●小松先生(東大附属中高)
<酸塩基の授業報告>
 新しく無機各論を理論に入れながら,探究的に進めていく授業実践の報告をしました。通常の進め方ではなく,中和→酸化物→酸・塩基の定義→塩→PHという流れで進めました。例年とは違った生徒の反応で,これは良いと思えるところがいくつか見つかりました。また探究的な課題としてマイクロスケールによる実験をいくつかやってみました。容器はIWAKIマイクプレート460円/個のものを使用し,薬品はすべて点眼ビンとして最近でたNaRiKaプチボトルシリーズ30mlを使いました。これはおすすめです。また滴定ではカルピスとカルピスウォーターの滴定をしましたので,あわせてその報告もしました。来年2月14日土に勤務校で公開研究会があり,私も授業公開をすることになりました。また講師として池本先生にも来て頂きます。ご興味がありましたら,ご参加ください。(また詳細が決まりましたら御連絡します)

●肆矢先生(國學院高)
<田中正造に関する展示の紹介>
下野新聞創刊130周年記念企画展「予は下野の百姓なり」 ―田中正造と足尾鉱毒事件 新聞でみる公害の原点―
期間: 2008年9月20日(土)〜11月30日(日)  場所: 日本新聞博物館 神奈川県横浜市中区日本大通11(JR関内駅より徒歩10分)
 電話:045-661-2040    http://newspark.jp/newspark/floor/info.html
田中正造は,足尾鉱毒事件を国会で20回以上取り上げ,鉱毒で苦しめられる人々を助けるために闘い続けた人物です。この田中正造の生涯と「公害の原点」といわれる足尾鉱毒事件を,直訴状などの豊富な資料をもとに紹介しています。来年の春休みに足尾銅山の旅行が予定されていますので,是非ご覧ください。

●池本先生
<J.Chem.Educの実験の紹介>
 ・食酢と炭酸水素ナトリウムの反応を用いた制限試薬の演示実験
 ・アルミニウムの実際の反応性
 ・銅貨から銀貨や金貨をつくる

●小坂先生(大妻中高)
<色が変わる焼酎「さくら咲く」の紹介>
 「さくら咲く」は、ミネラルウオーターで割ると琥珀色からピンクの「さくら色」に変わる、不思議な焼酎です。
アルコール25度。 720mL(1495円)360mL(890円)
販売先 http://www.gem.hi-ho.ne.jp/to-kubo/sakurasaku.htm

ラック色素・・・
 コチニール(カイガラムシからとった色素)という色素があるのですが同じように使われることがあるので、もしかしたらと思ったら、カイガラムシの一種にラックカイガラムシと言われる種類があるということです。ラック色素は、変色域がpH5〜6の間なので、はじめ少し酸性になっていて、水で薄めることで10倍に薄めることでPHが1大きくなるので、水で薄めれば、PHが変化して色が変わるようです。
まさにこの色の変化でした。→ 参考 http://www.saneigenffi.co.jp/color/nlac.html

●渡部先生(立教新座中高)
<「理科教育セミナー ー実験で知る理科授業最前線ー」のご案内>
 全日本科学機器展IN東京2008が,11月26日(水)〜28日(金)に東京ビッグサイトで開催される。28日(金)の午後,表記セミナーが予定されている。詳細は下記のホームページをご覧下さい。
http://www.sis-tokyo.jp/session1.htm#zone3

<アンケート協力のお願い>
 NHK教育テレビで,中高生対象の新番組「すイエんサー」 (11月8日(土),10:30〜11:14)が放送された。本番組について,生徒対象のアンケートの協力をお願いした。
関心のある方は,渡部(立教新座中高,勤務先・電話048−471−6631,電子メールtwatanab※nhss.rikkyo.ne.jp,「※を@に置き換えて下さい」)までお問い合わせ下さい。DVDとアンケート用紙をお送りします。

●齊藤先生(開成中高)
<お知らせと報告 計3点>
1.齊藤の最近気になること No.1
 これから研究会で齊藤が平素中・高化学の教育の現場を通して,気づいたり疑問に思ったりしたことを逐次報告し,議論することにした。高校化学の教科書の「酸・塩基」の記述において1価の酸の例として塩化水素というべきか塩酸というべきかで混乱が見られる。アレニウスの定義によれば,酸とは,水に溶けて水素イオンH+を生じる物質である。1価の酸の塩化水素が水に溶けて塩酸となり,酸性を示すことになるので,1価の酸の例としては塩化水素というべきではなかろうか。一方理化学辞典などによれば,硫酸や硝酸は分子名と水溶液名ともに使われる。このような微妙な言葉使いは,初学者の生徒には,気になるところであり,明確に区別すべきではないか。

2.演劇 「サムライ 高峰譲吉」を観て
 去る10月30日(木)新宿紀伊国屋サザンシアターにて東京ギンガ堂公演「サムライ 高峰譲吉」を観てきました。上野彦馬,坂本龍馬,長井長義,上中啓三などの人間関係がよくわかり,化学史学習の一助となる作品であった。

3.東京私学の化学「実験研修会」のお知らせ
 12月13日(土)14:30〜16:30
  開成中学校 第一実験室 4階
  講師  齊藤幸一
  テーマ メロンシロップを使った実験 (染色による色素抽出・クロマトグラフィーによる色素分離・残液による銀鏡反応など)
 他に興味ある演示実験や高校化学の問題点

 申し込み問い合わせは下記まで
 TEL03-3263-0544  東京私学教育研究所 担当 目黒宛


●吉田先生(開成中高)
<学会ホームページについて>
 アドレスは提案通り,「 http://www.kisokagaku.com 」がとれました。10月15日頃より,運用を開始しています。これからも移動作業がまだありますが,例会の報告,次回の予定なども携帯電話でも見られるようになっているので,ご覧下さい。

<国内研修旅行の計画について>
 今年度は,田中正造をテーマにした1泊2日の旅行を3月末に実施する予定です。
期間は,いつが好ましいか検討中です。次回の例会で,日程を決める予定です。


 

●会報 12月号  2008/12/20

中学・高校部会  12月の研究会の概要

●渡辺先生(大妻中・高)
・日本基礎化学教育学会2008年度会計報告


●齊藤先生、吉田先生(開成中学・高等学校)
・学会の通信手段について
 「学会ホームページとメールを中心とした通信」に移行してはどうかという議論があったが、現状での問題点が整理されていないため、事務局を中心に再度相談して、1月の例会で再検討することとなった。併せて連絡の取れなくなっている会員をどうするかという問題もあり、色々なことを整理する意味で、連絡先と会員継続の確認について、はがきで全員から返信をもらってはどうかとなった。
 北欧と日本の化学史研修旅行の感想文集を配布する際に、確認はがきは同封することになった。


●齊藤先生(開成中学・高等学校)
@ 理数系教科研究会(化学)「実験研修会」について
 東京私立中学高等学校協会 東京私学教育研究所 理数系教科研究会(化学)主催の下記の研修会に講師として参加しました。熱心な先生方に囲まれ,大変こちらも楽しい研究会でした。
 尚,実験研修終了後,日本化学会化学教育協議会,日本化学工業協会,化学オリンピック日本委員会などから多くの資料をいただき参加者に配布できました。この場を借りて関係各方面の事務局の方々に感謝します。

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 日  時  平成20年12月13日(土)午後2時30分〜午後4時30分
 会  場  開成中学校 第一実験室(4階)
        荒川区西日暮里4-2-4 電話:3822-0741
 実験題目  「メロンシロップを使った実験(染色・クロマトグラフィ・銀鏡反応)」他
         「興味ある化学実験の紹介」 (簡易ユージオメーター・卵を使った浸透圧実験など)
         「高校化学の問題点」(リトマス変色域は? 気体標準状態とは?)
 講  師  齊藤 幸一 (開成学園教諭)
 参加人員  28名
 参加費用  無 料

A 化学教育フォーラムについて
 下記のような要項で化学教育フォーラムを開催します。たくさんの方々の参加をお待ちしています。無料です。

 第16回化学教育フォーラム
 理科・化学の普及交流を考える

 日本化学会化学教育協議会 普及・交流委員会は幅広く,様々な活動を行っておりますが,その活動の詳細については意外に知られておりません。そこで今回のフォーラムを通じて広く知っていただき,普及交流の現状と問題点を整理し,多方面の先生方との議論を通して,中・高現場の化学教育を支援する材料を提供いたしたいと存じます。 また,化学の普及交流活動における指導者の養成法や安全な実験法など情報交換の機会を会場で持ちたいと思います。

 日時 平成21年3月30日(月)9:00〜12:30
 場所 第89春季年会 (日本大学 船橋キャンパス 13号館1326教室 )
 主催 日本化学会化学教育協議会   

 1.開会の挨拶 (化学教育協議会議長:東京理科大学) 井上祥平
 2.趣旨説明 (普及・交流委員会委員長:開成中学高等学校 ) 齊藤幸一
   <9:15〜10:15> 
 3.なぜナニ化学クイズショー (クイズショーTG主査:早稲田大学) 鹿又宣弘 
 4.出会いのための実験体験―幼稚園・学童保育への活動を通じて―
   (実験体験TG主査:桐蔭横浜大学) 齋藤 潔
 5.全国の小学生に家庭でできる実験を届ける「わくわく理科タイム」
   ―楽しく実験を通して科学する心を育てる―
   (わくわく理科タイムTG主査:江東区立亀戸第二中学校) 牧野順子
   <10:30〜11:30>
 6. 化学だいすきクラブの活動紹介と展望
  (化学だいすきクラブ小委員会委員長:首都大学東京) 内山一美
 7.全国高校化学グランプリ―現状と今後の展開―
  (化学グランプリ・オリンピック委員会委員長:武蔵大学) 薬袋佳孝
 8.NICE―アジアにおける化学教育者ネットワークへのお誘い―
  (国際関係小委員会委員長:東京学芸大学) 鎌田正裕 
  <11:40〜12:30>
 9.パネルディスカッション  司会 齊藤幸一
10.閉会の挨拶 齊藤幸一
  <12:30〜14:00>
   情報交換会 

 参加費:無料です。春季年会の参加には登録が必要ですが,本フォーラムは,登録の有無にかかわらず参加できます。
問合せ先:日本化学会企画部 大倉寛之 電話(03)3292−6164
E-mail kyoiku-kyogikai*chemistry.or.jp(*は@に置き換えて下さい)
〒274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1
東葉高速鉄道「船橋日大前」駅 下車徒歩1分(東京メトロ東西線乗り入れ)


●宮本先生(開成中学・高等学校)
@ 「化学実験カーがやってくる」(実験教室)募集
 2010年に開催される「国際化学オリンピック日本大会」の普及活動の一環で,プレイベントとして,小学校・中学校・高校で実験教室を無料で行います。同封した申込み用紙をお使いください。

連絡先
  化学オリンピック日本委員会 事務局
  電話  03−3292−6428
  E-mail 42japan*icho2010.org(*は@に置き換えて下さい)
  Web http://www.icho2010.org
 *同封した申込用紙をお使いください。

A 「化学だいすきクラブ」の入会案内(無料)
 小学生・中学生・高校生を対象とした,化学に興味を持ってもらおうという趣旨で作られたクラブです。入会すると,下記の冊子が送られてきます。同封の申込用紙(宮本の紹介扱いになっています)で申し込んでいただければ,入会金,年会費,送料などは一切かかりません。高校3年を卒業するまで,冊子が送られてきます。HPで,バックナンバーが公開されています。

 http://www.csj.jp/chemclub/

 「化学だいすキッズ」
 対象 小学生・中学生
 内容 家で出来る実験を紹介
     実験教室・イベントの案内
 配布 年に2回

 「Newslatter」
 対象 中学生・高校生
 内容 中学生・高校生向けの実験の紹介
     最先端の化学
     暮らしの化学
     ワンポイントアドバイス など
 配布 年に4回


●渡部先生(立教新座中学校・高等学校)
@ 「第6回,日台文化交流青少年スカラシップ」のご案内
 http://www.business-i.jp/scholarship/index.html
 中・高・専門学校・大学生を対象として,作文・絵画・書道・マンガの作品を募集している。締切は2009年1月15日(木)であり,優秀者は3月下旬に台湾研修旅行に派遣される。

A 「平成20年度関東・信越地区(2)エネルギー・環境・放射線セミナー」のご案内
 http://www.ref.or.jp/
 小中高の教職員を対象として,1月11日(日),12日(祝)に予定されている無料のセミナーのご案内。募集締切は12月20日(土)。放射線教育フォーラムのホームページでは「教員対象セミナー」の一つとして紹介されている。

●岩藤(宮本)先生(学大附属高)
 「第2回理科SPP特別講座 現職教員研修」のお知らせ

 実施日時 平成21年1月24,25日(1泊2日)
 集合場所 池袋西口東京芸術劇場前
 集合時間 8時
 応募先 東京学芸大学附属高等学校の岩藤先生まで。
       iwatoh*gakugei-hs.setagaya.tokyo/jp(*は@に置き換えて下さい)
*先着40名までとなっています。
  詳細についても,岩藤先生までお願いします。 


●吉田先生(開成中学・高等学校)
化学史旅行について
 
 昨年度実施した北欧と日本の化学史研修旅行の感想文集を配布しました。今年度の化学史旅行の日程は、3月の26木、27金、または31火4/1水、などを候補にあげたが、予定がはっきりしないこともあり、決めることが出来なかった。参加希望の強い方を中心に再度相談し、次回までにある程度煮詰めたものを作ることになった。


●池本先生
 J.C.Eの実験の実験の紹介をしていただきました。次回の研究会で,いくつか実験することになりました。
実験題目
・硝酸銀と銅金属の間の置換反応
・シアノアクリレートを用いた指紋の検出
・アルミニウムの実際の反応
・銅貨から銀貨や金貨をつくる
・食酢と炭酸水素ナトリウムを用いた試薬(限定反応物質)の演示実験


●会報 1月号  2009/1/23

●齊藤先生(開成中学・高等学校)
1.ゴム状硫黄の実験
 朝日新聞に掲載された山形県の高校生が行った実験を追試した。硫黄の純度を従来用いてる粉末硫黄(硫黄含有量97.0%以上)を用いて,試験管に約3gとり,加熱して沸騰させ,水の中に注ぎよく知られている褐色のゴム状硫黄をつくった。次に純度の高い硫黄(結晶)(硫黄含有量99.5%以上)を用いて同様な方法でつくった。水中に注ぐまでは褐色で同じであったが,水の中で黄色に変化した。確かに従来の色調とことなる黄色味をおびたゴム状硫黄が生成した。この違いがどのような条件や不純物によるものかは,今後の検討課題である。 
      http://www.asahi.com/science/update/0105/TKY200901050126.html
2.水素ステーション見学
 年末に横浜鶴見にある水素ステーションに見学に(ネットで予約して)行き,燃料電池自動車試乗と燃料電池の講義を受けた。おおいに利用すべき施設である。
      http://www.jhfc.jp/station/kanto/daikoku.html


●西澤先生(日本女子大学附属高等学校)
長井長義について(化学史)
 日本薬学の開祖である長井長義について生い立ち、功績等を報告致しました。長井は幼少期から医学薬学の教育を受け、22歳で長崎へ留学した際、化学分野においても強い興味を抱きました。26歳で海外留学生としてプロイセンへ派遣を命じられ、留学時にバニラ豆の成分である、バニリンの合成に成功。日本へ帰国した後、東京薬学会(現・日本薬学会)の初代会頭に就任、また、東京大学にて化学や薬化学の授業を担当し教鞭をとられました。また、マオウから一つのアルカロイドを単離し、現在、気管支喘息の治療薬となっているエフェドリンを発見しました。その他にも、医薬分業や女性理科研究者・教育者の育成に尽力され、多くの女性研究者を世の中に輩出した薬学者です。

●宮本先生(開成中学・高等学校)
 化学史関連で情報を1件。NHK総合で,毎週土曜日の7時30分から緒方洪庵のドラマ「浪花の華 〜緒方洪庵事件帳〜」が放送されます。蘭学者・緒方洪庵の青春痛快ミステリーシリーズだそうです。

  「浪花の華 〜緒方洪庵事件帳〜」
  NHK総合  毎週土曜日 午後7:30〜8:00
  1月10日(土)スタート

●吉田先生(開成中学・高等学校)
(1)シンポジウムの件
 「人類の発展に貢献する触媒科学」をテーマとして、「三井化学 第4回 触媒科学国際シンポジウム(MICS2009)」が開催されます。
  日程 2009年3月11日(水)、12日(木)
  会場 かずさアカデミアホール(千葉県木更津市)
  テーマ 人類の発展に貢献する触媒科学
  詳しくは、以下のHPで。
  http://jp.mitsuichem.com/techno/symposium.htm


(2)旅行の件 研修のテーマ:「田中正造と足尾銅山」
 3/30(月):日光で研修、日光温泉(泊)
 3/31(火):足尾銅山、田中正造生家、谷中遊水池等の見学
 費用:35,000程度


(3)通信手段について(12月の継続)
・webを使った配信をする。会長名で会員に通知し、あわせて会員継続の確認をする。

・通信手段の概要
 1)配布物
  毎月の研究会の前に、その前の月に行われた研究会の会報等を袋詰めして発送する。
  現在より半月ほど遅れての送付となるが、会員が協力して行えるようになる。
 
 2)webの更新(http://kisokagaku.com)
  研究会の後、約1週間ほどでHPの速報版を更新する。
  期限の迫った情報も早く流せるようになる。
  会報の要約版も早く見ることが出来るようになる。
  会報で紹介されているHPへもアクセスしやすくなる。
  HP更新は登録したメールアドレスに通知される。
  
  
 3)電子配信への協力(e-mailアドレスの登録のお願い)依頼
  会員継続の確認のハガキもあわせて配布する。
  登録してもらったe-mailアドレスでメーリングリストも作り、意見交換もしやすくする。

 *旅行の文集と共に、これらの案内の書面を送付します。1月下旬発送予定。


●肆矢先生(國學院高等学校)
1.福沢諭吉展 東京国立博物館表慶館(上野公園)2009年1月10日〜3月8日
 福沢諭吉は20歳で緒方洪庵の適塾に入り、蘭学などを学んでいる。昨年3月に実施した学会での旅行で適塾を訪れたが、この福沢諭吉展では適塾の様子が紹介されている。また、福沢諭吉は西洋の科学啓蒙書を翻訳していて、それが展示されている。
2.会報のCD配布について
 2008年の会報と旅行文集などをCDにまとめました。

●小松先生(東大附属中高)
A. 食酢と炭酸水素ナトリウムの反応を用いた制限試薬の演示実験
食酢と重曹をつかった定量的な実験、発生する二酸化炭素を逆さまにしたメスシリンダーで水上置換する。食酢を一定量にして重曹の量を変化させ、ある量以上の重曹では出てくる二酸化炭素が同体積になることを見せる(制限試薬)ものである。中学で質量保存の法則をおしえるための実験器具が中村理科から販売されているが、この器具をつかった実験のあと、定量的な法則を学んだ最後に探求的に考えさせる実験として活用できると思う。中学では反応は必ずすべて進むものだと思っているので、考えさせる問題になる。実験自体は難しくないが、メスシリンダー実験装置をそろえる・飽和食塩水の準備などがたいへんかもしれない。各班に重曹の量を変えたものを準備させ(10セット)、結果を持ち寄るのがよい。

B.テルミット法で青銅をつくる
スチールカップに砂を入れ、封筒でろうとをつくって反応させる実験である。テルミットで合金というのはなかなか結びつかないが、うまくいく。ただ試薬の種類にはくれぐれも注意したい。
試薬
Al 1g ,Cu2O 4.3g ,SnO 2.7g (Cu : Sn = 3 : 1)
決して酸化銅UCuOは使わない!!!
※同じ金属の酸化物でも、酸素の割合が多い酸化物ほど反応ははげしくなるそうです。危険防止のため、SnO2もやめたほうがよいでしょう。

C.公開研究会のお知らせ
2009.2.14. 東京大学教育学部附属中等教育学校 公開研究会
ホームページをご覧下さい。
http://www.hs.p.u-tokyo.ac.jp/research/public_workshop/index.html


●渡部先生(立教新座中学・高等学校)
◎情報
「財団法人,武田科学振興財団」では,2009年度「高等学校理科教育振興奨励」の候補者募集を行っています。募集締切は2009年4月17日(金),助成金額30万円,助成件数30件です。
http://www.takeda-sci.or.jp/

◎情報
有機化合物を学習する最初の授業はどのように工夫されているでしょうか。次のような情報を利用して授業を行いました。
(ア)http://www.cas.org/cgi-bin/cas/regreport.pl 
 CASに登録されている物質が4000万を越えていること
(イ)http://www.cas.org/newsevents/connections/derivative.html 
 4000万番目の化合物
(ウ)http://www.natureasia.com/japan/nchem/updates/article.php? id=16 
 2008年度の注目研究にシクロペンタンが関係していること
(エ)http://www.sccj.net/CSSJ/jcs/v5n2/a3/document.pdf
 アルカンの構造異性体の数(高校生が執筆した論文)

◎その他
 研究会のときには紹介しませんでしたが,(エ)を追加させて頂きました。この論文は,約10年ほど前に高校生が執筆した論文です。高校生がここまで書くことができるんだと驚かされるとともに,生徒らの意識を高めるために利用しています。


●会報 2月号  2009/2/28

●肆矢先生 (国学院高校)

1. イソジンからヨウ素をとりだす

【実験】

@蒸発皿にイソジン2 を入れる。
Aさらに,蒸発皿に酸化マンガン(W)0.5g,濃硫酸2 を入れ,ロートをかぶせる。
Bガスバーナーの弱火で加熱する。

【結果】

紫色の蒸気が発生したが,ロートにはヨウ素の結晶ではなく,粘性のある着色物が付着した。

【検討】

昆布からヨウ素をとりだす実験と異なる結果となった。イソジンに含まれている水溶性の高分子が関係し,ヨウ素以外の物質が生成している。ヨウ素を取り出す実験としては,検討を要する。

【参考文献】米沢剛至,ちょっとやってみようかな化学,日本評論社,p110,2008

2.平成21年度私学教員研修会について

日程:平成21年8月17日(月)〜18日(火)2日間
会場:海外職業訓練協会研修センター(OVTA)JR京葉線「京浜幕張」駅下車(徒歩8分)
募集人員: 30名
化学部会:17日の13:30〜17:00と18日の9:00〜12:00

21年度の研修会は今までと違い実験室でなく,会議室で行われます。従って,下記の点にご注意ください。
・ ビデオ,写真,PowerPointを中心とした研修にする
・ 実験の場合は,全員参加型でなく,演示実験を念頭におく
・ 実験では火気・水の使用はできない。ただし,ドライヤーの使用は可
・ 換気ができないため,気体発生の反応はできない
・ 電気ドリル,ハンダ付けのような作業はできない
・ 無線LANによりインターネットの利用可
※研修内容の詳細は後で結構です。とりあえず,簡単なテーマを決めてください。
テーマ例,「食品着色料の実験」,「身近な物を通して学ぶ化学」,「協同的な学びを育てる高校化学の授業実践の紹介」「化学史と高校化学」

※テーマの提出は,3月20日までにお願いします。
提出先:肆矢まで,yotsuya*kokugakuin.ac.jp(*は@に置き換えて下さい)

●齊藤先生 (開成学園中学高等学校)

高純度硫黄結晶によるゴム状硫黄の実験の紹介

前回に引き続きゴム状硫黄をつくる実験を高純度硫黄結晶でおこなった。
試薬は和光純薬製 99.9999パーセントの硫黄結晶を使用した。
前回の関東化学(株)99.5パーセント硫黄に比べて加熱時に昇華してくる物質が少なかった。
ゴム状硫黄作成時には色が見慣れた赤褐色になるものの,水に入れた瞬間に黄色に変化し,その黄色の状態が前回より光沢があるように見えた。とりだすとゴム輪のような色になった。
このことは,高本・稲本・中原・山崎編集「化合物の辞典」p324硫黄 1997年(株)朝倉書店 に次のような記述があった。
「…160℃以上の融液を急冷すると、二硫化炭素に溶けないゴム状硫黄が得られ、条件によって黄〜暗赤色になる。」
条件によって黄色になることがすでに書かれているのは興味深い。

●山本先生 (千葉県立実籾高等学校)

イオン化傾向の実験に用いる水溶液での興味深い結果

硫酸銅(U)と硝酸銅(U)の水溶液に金属亜鉛を浸すと、亜鉛の表面に銅が析出(銅樹)が見られる。

よくある金属のイオン化傾向の大小をみる実験です。ところが、亜鉛の変わりに、金属鉄を浸すと、硫酸銅(U)の水溶液では金属鉄の表面に銅の析出がみられるものの、硝酸銅(U)水溶液では何の変化も見られない。
しかし、ここに、硝酸の一滴を滴下すると、ただちに銅が析出するという現象の紹介です。
詳しい理由はわかりません。この実験については4月の例会で詳しく報告します。

●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

1.各種手続きの状況

a.在籍確認の進捗状況
 現在、返信は半数位です。退会希望の方も数名いらっしゃいます。

b.旅行の申し込み状況
 現在申込は、10名程度です。希望の方はお早めに申込下さい。


 2/23日で締め切りました。15名以上ですが、増員可能なので申し込まれた皆さんの参加で実施をします。

c.新カリキュラムについての話題
 中学での数学および理科の先行実施により、来年の4月に入学する生徒から教育課程を示す必要が出てきている。

この7月くらいから、来年度入学生対象の学校説明会もはじまるので、各学校での進捗状況はどうでしょうか?
東京書籍から出されている資料にある九段中等教育学校の教育課程表は高校2年生(5年生)の化学は「化学基礎と化学」で4単位となっており、実に興味深いです。

2.化学教育研修旅行の解説 

 旅行行程の概説。1日目は日光の見学。2日目に足尾・田中正造関連の見学。


(1)足尾渓谷
 緑化事業で植林が進むが、現在もまだ山肌が見えるところもある。


(2)足尾銅山
 1877年古河市兵衛により足尾銅山製錬所は操業される。それ以前も銅の産出地として知られ、寛永通宝なども足尾の銅で製造されている。
 1973年に足尾銅山の採掘中止、閉山に至る。閉山が近くなると、足尾で算出された銅の利用はほとんどなくなっていたが、足尾銅山は、日本の経済成長の一翼を担った銅山であることは間違いない。


 田中正造生家、渡瀬遊水池などについては次回にお知らせします。

 


●会報 3月号  2009/03/31 

中学・高校部会 3月の研究会の概要

●齊藤先生 (開成学園中学高等学校)

ニッポニウムについて
 下記の番組をDVDに録画し、中2の生徒7クラス302名に見せた。その後感想を書かせた。25分というちょうど飽きが来ない時間と内容の展開もすばらしく、生徒達はどのクラスの生徒もざわつくことなく、引き込まれていった。このような良い作品は、是非果敢な中学生あたりにみせたいものである。
 NHK 知るを楽しむ 歴史に好奇心 2007年 11月22日(木)
 第3回 幻の発見 新元素「ニッポニウム」
<概要>
「明治40年、世界を驚かせる新発見が、日本人科学者の手でなされたというニュースが報じられた。周期表43番目の新元素、ニッポニウム(元素記号Np)の発見である。発表者は、東京高等師範学校の小川正孝教授。当時はキュリー夫妻によるラジウム発見など、欧米列強の間で新元素の発見競争が激しさをましていた。そんな中、科学後進国・日本の科学者による「快挙」は明治人を熱狂させた。しかし、ニッポニウムは、欧米の科学者の追試では確認されず「幻の元素」とされてしまう。近年の研究では、小川が発見した物質は、周期表43番ではないが新元素ではあったことが分かっている。科学一等国への期待と失望が渦巻いたニッポニウム発見騒動を追う。


●宮本先生 (開成学園中学高等学校)

「金属の化学」の教材化(平成20年度理科教育発表会の報告)
 平成21年2月20日に,平成20年度理科教育発表会で,研究発表をしてきました。題目は「金属の化学の教材化」です。
 去年の夏に愛媛県の別子に行ってきました。別子には,足尾銅山と並んで有名な別子銅山があります。観光しつつ,別子銅山の施設でいくつか資料を手に入れてきました。資料を調べた結果,「別子銅山と環境」というテーマで教材化出来そうなことがわかりました。また,3月下旬に研修で行く足尾銅山との比較も興味深いものがありそうです。今後,詳細に調べ教材化していこうと思いました。


●渡辺洋子先生(大妻中学高校)

プラスチックの実験の紹介
実験1 PVA洗たく糊からスーパーボールを作る。
実験2 PVA洗たく糊からビニロンスポンジを作る
実験3 PVA洗たく糊からビニロンの糸を作る

*1:PVA洗たく糊は市販のもので、カネヨ化学・ジェルタイプ/カネヨノール(容量:750ml、小売価格:200円程度)のものを薄めずに使うと準備も楽である。
*2:実験3での一番の工夫は、ビニルアルコールで糸を作っておいて、それをホルマリンにつけてアセタール化する点である。ビニルアルコールで糸を作るのには何度かやって慣れておく必要がある。
*3:それぞれの実験での温度は、反応を円滑に進めるために守る必要がある。設定より低い温度では反応は起こりにくい。


●小坂先生(大妻中学高校)

鈴木梅太郎について

鈴木 梅太郎の生い立ち
 明治7年(1874年)に静岡県の農家に生まれた。 植物生理化学に興味を持ち、植物体中のアミノ酸の一種、アスパラギン酸やアルギニンの分布などの研究をしていた。
桑の木の萎縮病といわれる病気についての研究桑の木の病気は細菌によるものだと言われていたが、実は細菌によるものではなく、カイコの餌に使うために桑の葉をむしり取るために、一種の栄養失調になっているのであるということを突き止めた。
ヨーロッパのチューリッヒで有機化学を勉強。その後ベルリンへ。エミール・フィッシャーのもとで5年、生体成分の研究を行う。フィッシャーに日本に帰国後、どんな研究をしたらいいかを相談すると、「欧州の学者と共通の問題を捉えたところで、こちらは設備も完成し、人も沢山あって堂々とやっているのだから、とても競争はできまい。それよりも東洋に於ける特殊な問題を見つけるのがよかろう」とアドバイスされる。
鈴木は、ヨーロッパ人と日本人の体格の差の原因は、食生活にあると思い、日本人の主食である米の栄養についての研究を始める。ニワトリやハトなどの鳥類による実験によって、白米だけをエサにすると人間の脚気と同様の症状がみられること、また玄米やコメヌカなどをエサに入れると発病しないことを明らかにした。鈴木は東京帝国大学農学部教授となってからも、コメヌカにふくまれているはずの脚気を防ぐ成分に興味を抱き、その解明に向けた研究を続けた。その結果1910年にコメヌカのアルコールエキスから、アベリ酸という成分の分離に成功した。アベリ酸は、のちにオリザニンと改名される。これこそ世界で最初に発見されたビタミンでした。オリザニンが脚気に効果的である事を実験的に確認。米糠の成分である「オリザニン」が欠乏することが脚気の原因であると発表。鈴木とほぼ同時期にイギリスでもカシミール・フンクが、コメヌカのアルコールエキスから脚気の予防に有効な成分を探求した。1911年に発見した成分に、生命(ビータ)に必要な塩基(アミン)の一種という意味で、ビタミンと名づけた。それは鈴木のオリザニンと同じ物質で、のちにビタミンB1とされた。
●ビタミンの発見とノーベル賞
 1884年 明治17年 海軍軍医総監 高木兼ェ 海軍の食事をパン食(その後麦飯)にして脚気の発症を激減させることに成功
 1894年 オランダの医学者 軍医 クリスチャン・エイクマン ニワトリの脚気を治すのに米糠が効果的なことを発見。
       人間にも玄米が効果的であることを実験的に実証
 1910年 鈴木梅太郎 脚気に有効な成分の抽出に成功 オリザニンの名はコメの学名オリザ・サティバから。
 1912年 イギリスのリスター研究所 カシミール・フンク 脚気に有効な成分の抽出に成功
        生命(ヴィタ)に関わるアミンという意味を込めてビタミンと命名 
        イギリスの生化学者フレデリック・ホプキンズ
        脂肪・炭水化物・タンパク質の他に食物中微量に含まれるビタミンという物質が欠乏すると色々な病気が起こることを明らかにした。
 1929年 ノーベル医学・生理学賞 エイクマンとホプキンズが受賞

 第一世界大戦で人々が栄養の偏りが生じる環境になると、脚気だけでなく、夜盲症やクル病などのビタミン欠乏による病気が蔓延するとヨーロッパでの研究が盛んになり、それに伴い日本でも鈴木の研究に注目が集まった。鈴木の功績に対する当時の評価はあまりにも低いものだった。
 しかし、今日の栄養学、ビタミン学への基礎は鈴木が作ったといえる。
 昭和18年 69歳 文化勲章を受賞した年に死去


●小松先生(東大附属高校)

机上で出来るテルミット反応

 「化学と教育」誌の原稿を皆さんでみていただき、実際にやりながら検討させていただきました。実際にはアルミ青銅という合金をつくりましたが、アルミホイルを反応容器にしたためアルミの含有量が多すぎて金色になりませんでした。追試を封筒を反応容器にしてやったところ、しっかり金色の合金をつくることができました(原稿は直しました)。
 また当日配った粗原稿ではSn2O4となっていますが、確認したところSnOでした。いくつかご意見をいただいて修整し、原稿は5月号に載ります。ありがとうございました。


●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

旅行について,都理研での活動から

(1)旅行:田中正造と足尾銅山に関しての連絡 
 主な見学地の説明とモデルコースの紹介などのHPの紹介
  田中正造大学:http://www.zuisousha.co.jp/syozodaigaku/

(2)東京都理化教育研究会化学専門委員会の発表から
 アルミニウムと鉄の違いについて、磁石につくかなどを生徒にアンケートをとると、非常に興味深い結果を得たので紹介します。


●宮本先生 (開成学園中学高等学校)

国際化学オリンピックプレイベントの実験教室について、他

@実験教室アシスタントのお願い
 現在,国際化学オリンピックプレイベントとして全国各地で実験教室をおこなっています。4月から本格的に活動を始め,今年は全国数十カ所で実施する予定です。特に夏の時期は,実施する側の人が不足することが予想されます。基礎化学教育学会の皆様に実験教室のアシスタントをお願いすることがあると思いますが,その時は宜しくお願いします。

A高校生向けの実験教室のお知らせ
 次回の研究会(4月18日)の前に高校生向けに実験教室を実施しようと思います。2010年に日本で行われる国際化学オリンピックのプレイベントとして,昨年から全国で実験教室を開催しているのですが,その一貫として実施しようと思います。国際化学オリンピックのハンガリー大会の問題を易しくしたものです。

<国際化学オリンピックプレイベント 実験教室のお知らせ>

 実施日:4月18日(土)
 時間:1時30分から3時30分(予定)
 場所:開成中学化学実験室
 対象:高校生(1校当たり数名でお願いします)

 <申し込み方法>
 参加希望校は,今週中に開成高校の宮本まで御連絡下さい。連絡は下記のアドレスまでお願いします。尚,生徒の参加人数もお知らせ下さい。

 
締め切り 4月10日 宮本のアドレス miyamoto*kaiseigakuen.jp(*は@に置き換えて下さい)

●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

事務局から,手続き等の報告

 現在、会員継続の返信を頂いている方は約70名ほどです。残りの方をどうするのか検討していく必要があります。振込をされている方も継続の意志があると見なせますので、その方の調査を会計の渡辺洋先生にお願いしています。調査終了後、皆さんにまた相談します。


●田村先生(慶応女子高校)

実験での疑問:塩化ベンゼンジアゾニウム溶液の色

 生徒実験でアニリン塩酸塩の溶液に亜硝酸ナトリウム溶液を加え、塩化ベンゼンジアゾニウムをつくらせたところ、ある班では、溶液に若干の発泡と、窒素酸化物様の褐色の気体発生が見られ、溶液は青くなった。(写真)褐色の気体は万能pH試験紙をオレンジに変える程度の酸性を示し、この青くなった溶液は2-ナフトールとの間でカップリング反応を起さなかった。発泡はジアゾニウム塩の加水分解が起こっているのものと思われるが、青くなったことについて、こうした現象が起こったことがあるかどうか、また何が起こっているのかを、当日の研究会出席者に尋ねたが、経験がないとのことであった。
 その後、「アニリンブラックが少量混入し、溶液が青くなったことがある」との情報をいただいた。


●肆矢先生 (国学院高校)

●水俣について
1. NHK「その時歴史が動いた」について
わが会社に非あり「水俣病と向き合った医師の葛藤」というタイトルで,水俣病を扱った番組が放映された。水俣病についてよくまとめられています。(録画してあります)
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2009_01.html

2. 水俣見学について   
学校宛に2009年度版水俣・芦北環境学習パンフレットが送られてきました。今年は足尾銅山の見学を実施しますが,将来「水俣見学」はいかがでしょうか。水俣病資料館,水俣病歴史考証館などがあるようです。詳細は以下のホームページでも見ることができます。
http://www.mkplan.org/


会費納入について

2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。


 


●会報 5月号  2009/04/30

中学・高校部会 4月の研究会の概要

●齊藤先生 (開成学園中学高等学校) 

新年度(2009年度)挨拶

 今年度は前倒しで中学新指導要領が実施されています。今後の研究会での発表でも、各校の新学習指導要領に対する対応など意識的に盛り込んでいただけると幸いです。また、通信手段が整備されてきましたので積極的な情報交換を期待しています。


●山本先生 (千葉県立八千代高等学校) 

金属イオンの反応について
 
@ 硫化水素を使わない定性分析
 「化学と教育」に載せた原稿の修正を行いました。Zn2+が確認しずらいという意見があったので、硫化ナトリウムの使用についての検討を加えた結果を報告しました。他の研究会で他の先生たちにも実践していただきましたが、7種類の金属イオンを100分以内で余裕をもって行うことができました。ただ、硫化水素の使用については、マイティ−パックの使用、スモールスケールでの使用などいくつかの工夫があり、それぞれに意見もある。それぞれメリットがあるので、自分のやり方に合った方法で行うのが良いと思います。
A イオン化傾向の金属樹をみる実験で、硝酸銅水溶液と鉄で実験すると銅樹の析出はみられません。塩化物や硫酸塩ではみられます。酢酸銅でも硝酸銅と同様で銅の析出はみられません。しかし、硝酸水溶液を滴下すると銅が析出する。硝酸銀水溶液に鉄でも銀の析出はみられないが、硝酸水溶液を滴下していくと銀樹がみられます。詳しい理由はわかりません。ただ、金属樹をみる実験での硝酸塩水溶液の使用には注意が必要です。


●西山先生 (晃華学園中学高等学校) 

池田菊苗について

 うま味物質を昆布から抽出して発見した池田菊苗博士の生涯と功績について、報告を行いました。

 池田は幼少期より英語と化学の教育を受け、特に応用化学分野と純粋な化学に興味を持った。帝国大学理科大学(現 東京大学理学部)を卒業後、高等師範学校を経て帝国大学理科大学の化学科助教授に就任。35歳のときにはドイツのライプチヒ大学に国費留学をし、ウィルヘルム・オストワルド教授(1909年ノーベル化学賞受賞)に師事した。ロンドンに滞在した際には、夏目漱石と同宿となり、漱石の著書に影響を与えたことが知られている。帰国後は同大学教授となり物理化学を専門として研究を進める傍ら、私費でうま味解明の研究に着手した。その結果、うま味物質を昆布から抽出し、正体がグルタミン酸イオンであることを明らかにした。その後、うま味物質は鈴木三郎助の手によって、鈴木商店(現 味の素株式会社)において調味料「味の素」として商品化・発売された。工業化のために発明した、うま味物質を小麦から大量生産する方法は、現在特許庁の「日本の十大発明」の一つに挙げられている。


●宮本先生 (開成学園中学高等学校) 

実験カーがやってくる・化学オリンピック等

 研究会で紹介した,国際化学オリンピックプレイベントの実験教室を実施しました。

4月18日(土)高校生向けの実験,
実験内容:未知試料の同定
参加人数:20名

4月25日(土)中高生向けの実験
実験内容:「メロンシロップの化学」,「醤油さしを使った水の電気分解」
参加人数:49名

いずれも,多くの生徒が参加してくれて盛況のうちに終わりました。ご協力ありがとうございました。また機会がありましたら,お声をお掛けします。


●肆矢先生 (國學院高等学校) 

明治期の教科書に関しての情報、私学の研修会の件

・明治期教科書87点の全文画像について
東京学芸大学のホームページに,明治期の教科書の画像が公開されています。
https://library.u-gakugei.ac.jp/top.html

・私学教員研修会について
日本私学教育研究所主催の教員研修会が下記の通り実施されます。
日時:8月17日・18日
場所:海外職業訓練協会研修センター(OVTA)
千葉市美浜区ひび野1−1(京葉線海浜幕張駅から徒歩8分)
    ※5月頃,各学校に実施案内が配布されます。


●吉田先生 (開成学園中学高等学校) 

旅行報告、会員の継続確認他

 3/30(月)31(火)の1泊2日で「田中正造と足尾銅山について」の研修旅行を行いました。参加者は19名で、通常では立ち入れないような、足尾銅山の奥、松木渓谷や、谷中遊水地などを見学してきました。ヨーロッパ化学史研修旅行などと同様に文集を作成する予定です。

 現在、会員継続アンケートのハガキは70通位の返信状況です。今後、会費の納入状況と併せて、研究会でどのようにすべきか検討していく予定です。


●渡部智博先生 (立教新座中学高等学校) 

切手について

 化学と関係の深い切手は多数あります。その中でも,「化学切手同好会」のHPはたいへん参考になります。代表の齊藤正巳氏によれば,化学と切手に興味があれば,この同好会の会員になることができるそうです。安部氏のHPも興味深いので,アクセスされることをお勧めします。
なお,問合せ先の「*」は「@」に置き換えて下さい。

 化学切手同好会 http://www3.tokai.or.jp/smallmiracle/
 問合せ先;齊藤正巳氏 nmz3110*ck.tnc.ne.jp

 科学切手の世界 http://staff.aist.go.jp/koji-abe/Stamp!.htm
 問合せ先;安部浩司氏 koji-abe*aist.go.jp

 化学と関係の深い事柄の切手がたくさんあるようです。著名な人の肖像画や化学工業関係での記念もの等面白いものが多数あります。
 切手のコレクターとの連携で面白い資料が作れるかも知れません。情報がありましたら、研究会やメーリングリストなどでお知らせ下さい。


●池本先生 (元・都立大教授) 

化学の教科書の件
 
 高校で化学を履修しなかった学生、化学が不得意あるいは嫌いな学生で、しかも化学を勉強する必要がある学生が結構大学に入学してきます。大学の教員も 高校の先生方と同じように苦労しています。その苦労をしている一人の先生(立屋敷 哲)が書かれた「ゼロからはじめる化学」(丸善、2310円)を見ると、大学で上述した学生に化学をどのように教えているかがわかります。一度本屋でパラパラとめくってみるのも面白いと思います。


会費納入について 

2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。



 

●会報 5月号  2009/05/31

中学・高校部会 5月の研究会の概要

●齊藤先生 (開成学園中学高等学校) 

プラスチックの実験・切手の件・山口の旅

1.本校の中学化学について
 旧課程以上の内容(イオンやイオン化傾向とボルタ電池、電気伝導 度による中和点の発見など)を独自のテキストで中2までに終わらせている。中3は高校化学の先取りをせず、週1時間「身の回りを化学の目で見る」ことを主眼に実験中心の授業を展開している。これは総合的な学習の時間としてレポートのみで評価し,現時点で次の4実験が終了した。
 @ 多繊交織布による繊維を見分ける
 A ナイロン6,6の合成
 B インジゴによる藍染め
 C 身近なプラスチックを見分ける
 今後,洗剤や食品、環境・エネルギー関連の実験や発表を行っていく予定である。
 次回研究会の参加者と上記@の繊維を見分ける実験を実施する予定。

2.国内研修第3弾実施の件
 来年3月に山口方面(セメントや塩酸の工場跡など)への国内研修実施第3弾を提案した。
さらに,今後,会で実施に向けての議論をお願いした。


●吉田先生 (開成学園中学高等学校) 

金属イオンの分離(スピード法)についての紹介
 相当前になるが平成5年の山口大会において発表した開成高校の3人での共同研究の発表を紹介した。
Ag+、Cu2+、Fe3+、Zn2+、4種の金属イオンの入った混合溶液から分離する方法であるが、約15分位で簡単に分離が出来るので、通常授業への導入が比較的容易である。説明やパソコンでのシミュレーションを含めても授業に使えるのであるが、あまり知られていないようなので今回紹介した。ポイントとしては、混合溶液の混合比率、沈殿熟成法についてであるが、全国理科教育大会山口大会の資料を参照されたい。


●小坂先生 (大妻中学・高等学校) 

切手の販売紹介

 一年ほど前になりますが「第一回野口英世アフリカ賞記念の切手が発行されました。
http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2008/h200523_t.html

平成20年12月に「近代製鉄発祥150周年記念」が発行されました。
http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2008/h201201_t.html

まだ、郵便局に行けば手に入るとはずです。


●兼先生 (江戸川学園取手中学高等学校) 

高峰譲吉について

 1894年、デンプンを分解する酵素、いわゆるアミラーゼの一種であるジアスターゼを植物から抽出し「タカジアスターゼ」を発明する。タカジアスターゼは消化薬として非常に有名となった。
 アドレナリンは1900年に高峰譲吉と助手の上中啓三がウシの副腎から世界で初めて結晶化した。

 副腎から放出されている物質の抽出研究は同時期に世界中で行われており、ドイツのフェルトはブタから分離した物質に「スプラレニン(suprarenin)」、アメリカ合衆国の研究者ジョン・ジェイコブ・エイベルはヒツジの副腎から分離した物質に「エピネフリン (epinephrine)」と名付けた。アドレナリンは英語、スプラレニンはラテン語、エピネフリンはギリシア語でそれぞれ副腎を意味する語に由来する。
 現在ではアドレナリンもエピネフリンも同じ物質のことを指しているが、ヨーロッパでは高峰らの功績を認めて「アドレナリン」の名称が使われているのに対して、アメリカではエイベルの主張を受けて、副腎髄質ホルモンを「エピネフリン」と呼んでいる。エピネフリン抽出をした米国研究者が高峰譲吉は研究上の盗作を行ったと、事実誤認の非難をした事も災いし、また高峰譲吉は醸造学者であり薬学での業績が少なかったことなどの経緯もあり、ヨーロッパではアドレナリンと呼ばれる薬は日本と米国では、副腎髄質ホルモン「エピネフリン」と長らく呼ばれてきた。
 しかし、高峰譲吉の業績に詳しくその著書もある菅野富夫(北海道大学名誉教授)らが、日本は発見者高峰譲吉の母国であり、「エピネフリン」に代わり正式にアドレナリンの呼称として欲しいとの厚生労働省への要望が実り、2006年(平成18年)4月、107年目の名誉回復として、日本国内では晴れて「アドレナリン」と呼ばれる事となった。−出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』−


●宮本先生 (開成学園中学高等学校) 

国際化学オリンピックプレイベントの報告
 4月に国際化学オリンピックプレイベントの高校生向け,中学生向けの実験教室を行いました。多くの生徒達が参加してくれ盛況のうちに終えることができました。有難うございます。 また,中学生向けの実験教室を行う予定です。その時は,MLなどを通して連絡します。4月とは別の実験メニューですので,興味のある生徒がいたら誘ってみてください。

「箔うちわ」の紹介
 連休の5月5日,6日に金沢子どもセンターで実験教室を行ってきました。金沢は金箔が有名ですが,ご存じの方もいるかと思いますがお土産屋で理科の教材に良さそうなものがあったので紹介します。今井金箔という会社からでているもので,商品名「箔うちわ」(680円)というものが駅のお土産屋で販売されていました。ネットで「箔うちわ,今井金箔」で検索すると直ぐに出てきます。ネットで購入も出来るようです。この「箔うちわ」を通して蛍光灯を見てみると,青く見えます。今までテレビでは見たことがあったのですが,実際に見たのは初めてでしたので紹介しました。


●肆矢先生 (國學院高等学校) 

オランダ・ドイツの偉人(化学史(化学史))
1.科学史勉強会について
 昨年より日本の江戸末期から明治にかけての化学史を勉強してきましたが,7月で終了します。そこで,イタリア・ドイツの科学史勉強会を提案したところ,下記の通り担当者が決まりました。実施は9月からで,発表時間は30分程度を予定しています。
 【イタリア】
 アヴォガドロ:西澤先生(日本女子大付属)2010年5月
 カニッツァーロ:武智先生(横浜国際女学院)2010年7月
 ガリレオ:宮本先生(開成)2010年4月
 トリチェリ :渡辺先生(大妻)2010年2月
 ボルタ:山本先生(東大大学院)2010年3月
 【ドイツ】
 ケクレ :吉田先生(開成)12月
 レントゲン :西山先生(晃華学園)2010年6月
 ブンゼン:田村先生(慶應義塾女子)2010年9月
 オストヴァルト:肆矢先生(國學院)9月
 ハーバー:小坂先生(大妻)10月
 ウェーラー:小笹先生(理科大大学院)11月
 リービッヒ:毛利先生(晃華学園)2010年1月

2.化学史の資料について
 関東化学(株)と和光純薬(株)のホームページに化学史に関する資料が公開されています。
 http://www.kanto.co.jp/times/index.html
 http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/jiho/article/jihoindx.htm


会費納入について 

2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。




 

会報 6月号 2009/06/21

中学・高校部会 6月の研究会の概要


●齊藤先生 (開成学園中学高等学校) 

繊維の同定実験 他
@ 開成中学3年生では,総合的な学習の時間として,環境学習を週1時間化学の教師が担当している。
 環境とは身の回りの生活空間として広くとらえ,衣・食・住を化学の目で見る実験中心の時間と位置づけている。
 今回紹介した実験は,その中の一部で,多繊交織布(縦糸8種類と横糸ポリエステル)を用いて,縦糸を抜き取り,
 燃やしたときの様子やその時の臭い,灰の様子と特殊な染料による染色で比色し8種類の繊維を同定した。

A 緑色蛍光タンパク質
  ノーベル化学賞の下村博士が発見した緑色蛍光タンパク質(GFP)を手に入れたので,紫外線をあてて蛍光を堪能した。
  GFPを使った,中等教育における実験開発のアイディアを募集した。


●小松先生 (東大附属高校) 

理科総合Aの授業の実践報告
 現在勤務校では必修として化学T(3単位)と理科総合A(1単位分)をあわせて4単位として私が教えています。そのなかで探究的な課題を入れて協同学習を取り入れながら進めていく授業形態を試みています。今回は前回とあわせて物質の構成という単元の内容と、そのまとめとして定期試験の問題を見て頂きました。何を教え、何を探究課題にしていくかという試行錯誤のくり返しで、とても自信のもてるものではありませんが、ゆくゆくはこのような授業スタイルも高校の授業に入ってこざるを得ないと思っています。
 今回の意見交換の中では、生徒の静電気的引力に対する認識の希薄さや比の計算に対する危うさ(決して生徒の責任ではない)といった問題などにも話が及びました。また「物体」と「物質」の区別という点も話題になりました。本校の生徒にとって、化学を「物質」の学問ととらえると(本来のあり方であることは承知していますが・・・)その空々しさだけが強調して認識されてしまい、気持ちが離れていくのを感じます。ここは何かを捨ててでも「物体」から迫らざるを得ないというのが今の私のスタンスです。
 今後とも是非いろいろなご意見を聞かせて頂ければと思います。


●渡部智博先生 (立教新座中学高校) 

脳科学のイベント 他

 ●第6回化学史研修会のご案内 −教員研修−
 ・日時 2009年8月22日(土)
 ・場所 立教大学4号館4階4406教室(場所が変更になりました)
 ・日本基礎化学教育学会は,後援団体の一つになっています。
   http://kagakushi.org/?p=216

 ●脳科学への招待〜脳の不思議に迫る ー夏休み高校生理科教室ー
 ・日時 2009年8月20日(木)
 ・場所 理化学研究所 脳科学総合研究センター
   http://www.brain.riken.jp/jp/events/wbaw09/index.html

 ●サイエンスネット(数研出版)
 ・各号の記事が,pdfでダウンドーロできます。最新号(第35号,2009年5月)が発表になりました。
  http://www.chart.co.jp/subject/rika/ri_net.htm

 ●「キュリー×キュリー」,青年劇場 第99回公演
 ・キュリー夫妻をモチーフにした舞台演劇です。詳細はホームページをご覧下さい。
 ・日程,会場 
  7月15日(水)〜17日(金),全労済ホール/スペース・ゼロ
  7月18日(土),彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
 ・その他 サポーターの集いが,6月21日(日)15:00〜1
  7:00,青年劇場スタジオ結で行われます。対象は小学生高学年以上。
   http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html
   http://www.seinengekijo.co.jp/s/kyuri-/supporter.html


●渡辺洋子先生 (大妻中学・高等学校) 

CO2の実験(学会の教科書 気体の性質)

 食品には、気体を水に溶かしたものや気体発生を利用して作られているものがある。ビールやサイダーなどの炭酸飲料水は二酸化炭素を水に溶かしたものであり、饅頭やスポンジケーキなどは二酸化炭素を発生させてふくらませたものである。学会の有志で身近な食品を題材とした教科書を作る作業をおこなっているが、今回は気体と食品のかかわりを取り上げた。まず炭酸飲料水から注射器を使って二酸化炭素を取り出し、気体の溶解度の差を観察した。次に重曹と小麦粉を混ぜたものを加熱し、二酸化炭素が発生することによって饅頭がふくらむことを観察した。


●米山先生 (東京電機大学中学校高等学校)

電気分解の実験について

 ファラデーの電気分解の法則について、手法や使用機器についての状況を話題にして検証実験の、会員の行っている手法などを聞いた。


●宮本先生 (開成学園中学高等学校) 

ペトリ皿の中の嵐
 池本先生が日本語訳してくれたJCEの実験をおこないました。実験は簡単で、ペトリ皿に水を入れ、そこへ酢酸エチルを少
量加えるだけです。酢酸エチルの量によって始まる時間はかわりますが、液面が波打ってきます。授業の中で使う実験とし
ては検討が必要ですが、とても面白い現象です。

「砂金掘り大会」のお知らせ
 8月8日に山梨県湯之奥金山博物館で学校対抗の砂金掘り大会が行われます。興味のある方は宮本までご連絡ください。

連絡先 宮本PCアドレス miyamoto*kaiseigakuen.jp (*は@に置き換えて下さい)


●肆矢先生 (國學院高等学校) 

 私学教員研修会「理科系研修会」実施案内の配布について
  6月下旬に各学校に配布されると思います。

 科学史に関する本の紹介
  原田馨,「ドイツ科学史巡礼の旅@ベルリン」(一二三書房)(2008)
  ISBN:978-4-89199-025-1
  数年後に実施予定のドイツ・イタリアの科学史研修旅行に貴重な資料になると思われます。
  本屋に置かれていませんが,アマゾンなどのネット書店で購入できます。

 和光純薬の時報について
  ハーバー,ヴェーラー,リービッヒ,ケクレ,オストワルトなどの化学者の人物像が良くまとめられています。
   http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/index.htm


会費納入について 

2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。




会報 7月号 2009/07/29

 

中学・高校部会 7月の研究会の概要

●渡部智博先生 (立教新座中学高等学校)

 キュリーキュリーの劇について

 船津基氏(青年劇場)が「キュリー×キュリー」演劇の紹介をした。若きキュリー夫妻の奮闘を描いた2時間程度の喜劇であり,学校での演劇鑑賞会にも対応している。
日程&会場;
 7月15日〜17日 全労済ホール/スペース・ゼロ
         18日 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
 連絡先 秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
 〒160-0022 東京都新宿区新宿2−9−20 問川ビル4F
  TEL 03-3352-6990  FAX 03-3352-9418
 e-mail info*seinengekijo.co.jp  *は@に置き換えて下さい
 URL http://www.seinengekijo.co.jp/


●宮本先生 (開成学園中学高等学校)

 砂金採り大会について

 山梨県金山博物館(8/8)での学校対抗砂金掘り大会に興味がある学校の方は、開成高校の宮本まで、連絡下さい。
 アドレス:miyamoto*kaiseigakuen.jp  *は@に置き換えて下さい


●渡部智博先生 (立教新座中学高等学校)

 東大直島キャンプ、基幹研について (主催;東京大学教養学部附属教養教育開発機構)

  日程;8月4日(火)から8月7日(金)
  締切;7月6日(月)
  昨年度の活動記録 http://high-school.c.u-tokyo.ac.jp/naoshima/2008s/20080806.html
  募集要項 http://high-school.c.u-tokyo.ac.jp/naoshima/index.html
  費用: 現地までの交通費は各自で負担,島での滞在費や経費は大学で負担.
  概要: 昨年に引き続き,8に瀬戸内海の直島で高校生のための”環境キャンプ”を開催いたします.
      今年は昨年の豊島だけでなく,新しくできた犬島アートプロジェクト「精錬所」も見学して,
      環境と地域興しについて自由に生徒さんに考えを深めて頂こうという企画になります.
      犬島は自然エネルギーを利用する現代美術のプロジェクトです.同世代の若者同士で意見をぶつけあう大変良い機会でもあります。

 基幹研科学セミナー(仮)(詳細は変更の可能性があります)

  開催日時:平成21年7月28日(火)15:00〜17:30
  東山教授による講義,討論,研究室見学等
  場所: 理化学研究所(埼玉県和光市)
  要旨: 植物の複雑なめしべ組織の中で、なぜ雄の花粉管が迷わずに卵細胞にたどり着けるのかという疑問については、
      100年以上も前から花粉管をおびき寄せる誘引物質が存在するのではないかと推測されていた。
      この花粉管の誘導の謎については、多くの教科書においても取り上げられている。
      この謎を解き明かす花粉管誘引物質を名古屋大学の東山 哲也 教授らは発見し、
      その成果は、2009年3月発行の英国科学雑誌「Nature」掲載され、その表紙を飾った。
      今回、東山教授に、発見までの経緯、今後の見通し、生物学としての意味等について講演をしてもらい、
      中学・高等学校の理科の教職員との交流・協力を進めていきたい。
  問合せ先: 古田豊 立教新座中高 
   〒352-8523 埼玉県新座市北野1−2−25
   電話 048-471-6631(理科準備室直通)
   電子メール furuta*nhss.rikkyo.ne.jp  *は@に置き換えて下さい


●肆矢先生 (國學院高等学校)

 日本私学研究所研修会について

新学習指導要領と生徒に興味を持たせる理科実験
平成21年8月17日( 月)〜18日(火)の2日間
海外職業訓練協会研修センター(OVTA)千葉市美浜区ひび野1-1
※研修会に関するお問い合せは、日本私学教育研究所(電話03-3222-1621)にお願いいたします。
90名(物理・化学・生物各部会30名)

http://www.shigaku.or.jp/ippan/H21/rikakei.pdf


●渡辺洋子先生 (大妻中学・高等学校) 

 日本基礎化学教育学会 教科書WGの活動経過の説明

 2006年3月に学会の教科書WGが発足し、5回の会合を通して、次のことが決まった。「生徒の立場に立ったおもしろい教科書」「化学が好きになる教科書」を目指し、次の3つのキーワードを中心に作成することを確認した。@身近な材料を取り上げる A実験中心の記述とする B社会に貢献する化学を目的とする である。一昨年の研修会で「食」に関するテーマで試案ができたので紹介し、参加者から感想を伺った。その時の“溶ける溶けない”のテーマを引き継ぎ、今年の夏の研修会では、気体をテーマにとりあげ気体の溶解の実験をいくつか披露し、皆さんから新しい案にについて自由に話し合っていただいた。


●兼先生 (江戸川学園取手中学高等学校)

 牛乳パックでつくる分子模型

 牛乳パックの大きさは、どれも同じで 7cm × 7cm × 19.5cm であり、手にしっくりと収まる大きさです。また、適当な硬さがあり、加工も容易です。カッターナイフやはさみで簡単に切ることができますし、セロハンテープで簡単に止めることができます。そこで、イメージし難い結晶のモデルを作ってみました。1本分の牛乳パックで1個分のモデルを作ることができます(マニュアルは学会のMLにて公開)。
(日本私学教育研究所で実施の研修会においても紹介があります。)


●柳沢先生 (駒場東邦中学高等学校)

 保護メガネについて

 駒場東邦での保護メガネの使用状況の報告と注意喚起の掲示についての紹介をした。


●田村先生 (慶応女子高校)

 PCを使った演示

 コンピュータの授業での活用に関して、参加者の先生方にハード面(台数等)と活用の事例について各校の様子を伺った。これについては、アンケートを実施して、結果を後日ご報告申し上げたい。また、マクロの作成やプログラミング無しに使うことができると、コンピュータを手軽に利用できると考え、エクセルの基本的機能のみを用って、教材等の作成に利用した例として中和滴定曲線(理論値)の作成、元素の性質(第一イオン化エネルギー等)の周期表形式でのグラフ化などを紹介し、参加者の先生からのご意見を伺った。滴定曲線では、白地図的に座標のみを与えて曲線を書き写させる事を行うと効果が高いなどのご意見があった。


●西澤先生 (日本女子大附属高校)

 メラミンスポンジを利用した炎色反応

 池本先生よりお預かりしていました、メラミンスポンジを利用した炎色反応の実験を行いました。KNO3、CuCl2・2H2Oなどの塩をメタノールに溶かした溶液にメラミンスポンジを浸し、スポンジに点火して炎色反応を見ました。炎はメタノールが燃え尽きる前に水に浸して消火しました。人数や実験室の広さに応じてメラミンスポンジの大きさをかえることができ、また、スポンジは水を除いた後、再び使用が可能なので、安全で非常に便利な方法でした。


●小松先生 (東大附属高校)

 理科総合・化学の実線報告(フローエネルギー、ストックエネルギー)

 今回は化学反応の量的関係と熱化学の分野の授業のながれをお話しし、そこで出会ったいくつかの点を話題にしました。特に熱化学の分野では、今年はストックエネルギーとフローエネルギーという概念を持ち込んで授業を展開しています。エネルギー概念のなかでは、あまり聞かれないストックとフローという言葉ですが、生徒にとって化学エネルギーをストックエネルギーととらえさせるのは、方程式を解かせる、エネルギー図を考えるときにも有効なのではないかと考えています。エネルギーの図を示すときに私は怪しげな原点らしきものを書いて説明します。その部分でご意見をいただきました。私は化学エネルギーをE{H2(気)}ととらえ、差ではなくてある量を考えてしまいます。(ゼロは勝手にそれぞれが決めればよいというスタンスで、必ずしも内部エネルギーというわけでもない)この辺の考え方も、先生方によりまちまちでしょうから、今後いろいろお聞きしたいと思います。 以上。


●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

 ファラデーの電気分解の法則など実験の報告

(A)電気分解の法則の検証実験(実演)
  前回話題に出たので紹介しました。ポイントは、
 (1)陰極に銅の網を使う、(2)1/100gの電子天秤を用いる、(3)電流は1Aで10分間、です。
理由は、おそらくですが、
 (1)有効極板面積が大きくとれる。(2)誤差がうまい具合に相殺されて再現性が高まる(=実験への充実感が増す)、
 (3)計算上や他の点で都合のいい数字となる値のため、ということです。
今回実演時に、小松先生に秤量を担当して頂いて行ったところ、0.20gと計算値通りの値となりました。生徒実験での再現性も90%以上で本校の生徒の評判も高いです。失敗しないように注意することは、電極が直接触れてしまうと明らかな失敗となるので、それに気を配るだけでほとんど成功します。
 また、今回研究会での発表の後、生徒実験に1/1000gの天秤を使って気づいたことですが、ここまで精度が高くなると、他の誤差要因を誤差が相殺してくれないので、1/100gの天秤を使った方が再現率が高いようであるとわかりました。

B)実験器具の紹介 : 水の電気分解の実験装置
 ケニスから発売されているものを使用しているが、非常に使い勝手がよいので紹介した。長所は、煩わしい液面あわせは一発で安全簡単にできること、水素の爆鳴気は器具がこわれる心配はなく直接ゴム栓を取り点火すればよいので失敗がないこと、電極が良いので燃料電池の実験器としても使えることなどです。電解装置のみの注文にも応じてくれるようです。
 ケニス株式会社 燃料電池実験器DCN-KC(手回し発電機付)
  http://www.kenis.co.jp/fuel_cell/alkali.html


会費納入について 

2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。

 


会報 9月号 2009/09/24

中学・高校部会 9月の研究会の概要

●渡部智博先生 (立教新座中学高等学校)

 お知らせ
 「理化学研究所」のご好意で,毎月「RIKEN NEWS」を寄贈して頂くことになりましたので,研究会の出席者には,毎号無料で配布します。
最先端の研究内容が紹介されている本誌は貴重な情報源になることと思います。
研究会に出席できない方は,pdf版をホームページからダウンロードしてご覧下さい。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/2009/index.html

 また,『理研ニュース』のメールマガジンの配信を希望する場合は,下記のアドレスから登録することができます。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/mailmag/index.html


●肆矢先生 (國學院高等学校)

 化学史の研究:オストワルト(ドイツ,1853〜1932)について

 オストワルトの略歴,業績について紹介しました。オストワルトのおもな業績は,下記に示す通りです。
 ・オストワルトの希釈律 
 ・オストワルト法:硝酸の製造法
 ・色彩の評価方式を考案
 ・『物理化学雑誌』の創刊
 ・多数の著書:『一般化学教科書』,『化学の学校』
 1909年に「触媒作用、化学平衡および反応速度に関する研究」でノーベル賞受賞を受けています。
 なお,仮説的な思考を嫌い,原子論を反対したことでも有名です。


●渡辺洋子先生 (大妻中学・高等学校) 

 夏の研修会の報告

 日本基礎化学教育学会では教科書作成WGをつくり、生徒にとって身近な副読本を作ることを目指しています。今回は“溶ける溶けない”のテーマの1つとして、特に気体の溶解度を取り上げ、試作原稿を作成したので紹介します。
 プラスチックの注射筒2つを使い、気体の溶解度が温度、分圧の影響を受けること、さらに炭酸飲料から二酸化炭素を取り出す実験を提案しました。目に見えない現象をいかに生徒に理解させるかについては、今後も検討が必要です。


池本先生(元都立大教授)

 イオンの溶出の観察

 電気分解時、電極からのイオンの溶出を観察するアイデア紹介がありました。
詳しくは、会報などで今後お伝えします。


●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

 環境省配布の有用書籍の紹介

 環境省から小学生向けに「簡単化学物質ガイド」(B6版26ページ)というパンフレットが出ています。
現在、刊行されているものは5シリーズあります。
1.わたしたちの生活と化学物質
2.乗り物と化学物質
3.洗剤と化学物質
4.殺虫剤と化学物質
5.塗料・接着剤と化学物質
 身近な化学物質をテーマに、シリーズで発行しているとのことで、この先さらに増えるようです。
表記は小学生向けですが、内容は高校生でも充分なものです。
実物をご覧になりたい方は、市役所や県庁などの河川管理や水質管理の関係事務所などに置かれていますので、そちらに問い合わせをしてみると数部ならば手に入ると思います。環境省から直接手に入れることもでき、学年単位で200部配布したいなどという場合にも応じてくれるそうです。
何冊であっても冊子は無料ですが、送料は私立ならば負担とのこと(公立学校は送料も無料だそうです)。
 見本として送ってもらいましたが、250部で宅配便1260円の着払いでした。化学Uの専門領域で授業に役立てることも可能な内容と思います。
詳しくは、環境省環境保険部環境安全課
TEL:03−5521−8260
E-mail:ehs@env.go.jp
「簡単化学物質ガイド・パンフレットについて」とお問い合わせ下さい。

会費納入について 

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会報 10月号 2009/10/31

中学・高校部会 10月の研究会の概要

●渡部智博先生 (立教新座中学高等学校)

(1)14Cのサンプル
北軽井沢から採取された炭化樹木を紹介した。採取された試料は, 木越邦彦学習院大学名誉教授の測定から,約2000年前の樹木であることがわかった。
(2)分子模型
ビービー弾を着色した小球を原子として,中学3年生の学習に利用した。紙に木工用のボンドを塗り,そこにビービー弾をのせ,立体的な分子模型や化学反応式を製作させた。



●肆矢先生 (國學院高等学校) ラー油と洗剤の実験・鉄の話題・他

(1)ローリングアップの簡易実験について(花王の実験教室より)
2cm×3cmのアルミニウム板の中央にラー油を2〜3滴落とす。ビーカーに水を入れ、その中にラー油を付着させたアルミニウム板を静かに沈める。合成洗剤をビーカー中のラー油に当たるように数滴落とすと,油が丸くなって水の中に浮き出てくる。
※アルミニウム板でなくても,500円玉でも実験できます。
(2)鉄−137億年の宇宙史の展示について
超高純度鉄、鉄の超伝導物質、世界最大級の鉄鉱石コレクションなど,興味深い鉄に関する展示が10月31日まで東京大学総合研究博物館で開催されています。詳細は下記ホームベージを参照してください。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html
(3)朝日新聞朝刊2009年9月26日の記事について
ケミカルアブストラクトに登録された化学物質が、5千万種を超したとの報道があった。



●宮本先生 (開成学園中学高等学校)
(1)国際化学オリンピックプレイベントの高校生向け実験
 国際化学オリンピックプレイベントで行っている高校生向けの実験を参加者の方々に行ってもらいました。7種類の未知の溶液に何が溶けているか実験から決めていくという実験です。沈殿反応、弱酸・弱塩基の遊離などから決めていきます。限られた時間の中で、皆さんには楽しんでもらえたと思います。
(2)カフェインの昇華
 緑茶葉からカフェインを昇華によって取り出す実験を行い、どうしたら上手くできるか皆さんから意見を頂きました。皆さんの意見をもとに、実験を続けていくことになりました。
(3)表面張力に関する質問
 樟脳船の実験では、船が進む理由を表面張力を使って説明していますが、私には、表面張力で船が進む理由が上手く説明が出来ませんでした。研究会で、皆さんにたずねてみましたが、結論が出ませんでした。このことを分かりやすく説明する方法があったら、教えていただけたらと思います。



山本先生(千葉県立八千代高等学校)

1価アルコ−ルのヒドロキシ基の環境の違いとその性質に関する実験
1級アルコ−ルの1−ブタノ−ル、2級アルコ−ルの2−ブタノ−ル、3級アルコ−ルの2-メチル-2-プロパノ−ルを使って、それらの反応性の違いをみる実験を紹介し、研究会の参加者に実験を行ってもらった。詳しくは後日まとめて報告する予定。



●小坂先生 (大妻中学・高等学校) 

理数系教科研究会(化学)「実験研修会(講師:池本先生)」の案内
1.日  時
 平成21年12月12日(土)午後2時30分〜午後4時30分の予定
2.会  場
 大妻中学高等学校 2階 第2化学室
 (運営担当:小坂美貴子 電話:03-5275-6057)
3.研修内容 「身近なものを用いた化学実験」
  @演示実験:「温度で変わるインクの色」
        「吸水性高分子とおしめ」を予定
  A実験実習:「振動反応」
        「蛍の光(発光反応)」
        「紙おむつを用いた燃料電池」
        「銅電極からの銅イオンの溶出」を予定



●小松先生 (東京大学附属高等学校)
話題提供
東京大学理学部ニュースの中に池田菊苗教授の特集がありました。
ニュースは無料でダウンロードできます。
http:www.s.u-tokyo.ac.jp/gai/kouhou_former.html



●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

 会則・旅行について
 平成2年から会則の改正がなされていないが、少々変更した方が良い点があると思われる。再配布や変更について話題にしたが、12月の研究会までにどうするか相談していく予定である。
 旅行について、3月末に山梨(甲府・下部温泉)方面へ、大人の社会科見学(化学風味)として1泊2日で行う提案をした。



会費納入について 

 2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。

 



会報 11月号 2009/11/30

中学・高校部会 11月の研究会の概要

●江口先生 (浦和明の星中学高等学校)

ウェルプレートを利用した実験についての紹介
アズワンから発売されているウェルプレート(24セル)を用いた実験の紹介をした。
60枚入りで1万8千円程度でのため、反応容器は2人程度で一つ配布出来るようになる。
水溶液は4人に1組あればよいので、工夫次第では個人実験的にでき、濃密な体験をさせることが出来て効果的である。
沈殿を作る組み合わせについては、4行×6列で実験できるため、色々と試みることが出来る。
少量実験のためセルをティッシュなどで拭けばよいので、廃液処理も簡単である。



山本先生(千葉県立八千代高等学校)

アルコールの価数による識別の実験
 1−プロパノール、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオールを用いて、粘度、水溶性(親油性)、金属ナトリウムをの反応、の3つを調べる実験をして頂いた。詳しくは後日まとめて報告する予定。



●肆矢先生 (國學院高等学校) ・ 宮本先生 (開成学園中学高等学校)

茶葉からのカフェイン抽出
抹茶を使って,カフェインの抽出を行った。手順を簡単に示すと,1gの抹茶をアルミホイルの上にとる。これをホットプレートにのせ,さらに抹茶の上にロートを置く。ホットプレートで約180℃で2〜5時間加熱すると,ロート上部に針状のカフェインが得られる。



●宮本先生 (開成学園中学高等学校) 墨流し、表面張力の実験、金山博物館の冊子、他

(1)身近なものを使った水の電気分解の実験
 「化学だいすきクラブ」の「Newsletter Vol.1」に掲載された、「身近なものを使った水の電気分解」を行いました。今までは、水の電気分解で水素、酸素の発生を観察したり、醤油さしにたまった爆鳴気に点火して爆発音を聞いたりしましたが、今回は、点火するときに部屋を暗くすると、醤油さしの中に青い炎が入り込んでいく様子が観察できたので、このことを紹介しました。ただ、マイクロスケール化した実験ですので、青い光が少し見づらかったです。醤油さしをつぶすときの、醤油さしの向きを変えるなどの工夫が必要です。

(2)墨流しの実験
 朝日小学生新聞」で連載されている「わくわく理科タイム」で、「中性洗剤で化学しよう」が掲載されました。その中で、「墨流し」を紹介しましたので、研究会の参加者にもやってもらいました。やったことがないという方も多かったこともあり、洗剤を水に付けたとき、水面に洗剤の幕がパッ!と広がる様子などが面白かったと思います。

(3)表面張力の実験
 表面張力を利用した実験として、エタノールを利用してプラ版で作った船を動かす実験をおこないました。この船は、樟脳よりも早く動き、小さな子ども向けにも良い実験だと思います。
 表面張力の仕組みについては、池本先生から田島先生にお願いして調べてもらったりしています。また詳細が分かりましたら報告します。

(4)表面張力の実験
 前回の研究会で、茶葉からカフェインを昇華によって得る方法を検討していただきました。検討結果をふまえて、改めて実験をおこなったところ、なんとかカフェインの針状結晶のようなものを得ることが出来ました。
 また、國學院の肆矢先生も学校で実験をしてくださり、実験の比較なども出来ました。

(5)湯之奥金山博物館だよりの報告
 毎年夏に、開成学園理化学部の生徒は山梨県の湯之奥金山博物館で学校対抗の砂金掘り大会に参加しています。このときの様子が書かれている「博物館便り」が、博物館から届いたので、皆さんに配布しました。この「博物館便り」には、生徒達の様子が生き生きと書かれていて、大会がどのように行われているか、分かりやすかった思います。また、来年の夏に参加校を募集したいと思います。



●池本先生 (元・都立大学教授)

温度変化による発色の実験
温度により発色したり、色が消えたりする製品を紹介した。
1. スキーウエアの素材(低温にするとピンク色に発色し、温度を上げると色が消える布)
2. ワープロ用印刷用紙(感熱紙)、領収書、JRの小型の切符ーいずれも加熱すると印刷の文字と同じ色が発色する)
3.JR新幹線の切符(新幹線の駅の緑の窓口(対面販売)で購入した切符、回数券およびそれに付随するものはヒートガンで加熱すると、まず赤色に発色し、さらに強く加熱すると、黒色になる)自動販売機で購入した切符は熱転写印刷のため、このようなことは起こらない。
4. Pilotのボールペン、マーカーの紹介(フリクソン)ーこのボールペンやマーカーで書いたものは、加熱すると消え、冷却すると再び出現する)

ウミホタルの発光実験のレシピ(黒田誠さん提供)を紹介した。



●齊藤先生 ((開成学園中学高等学校) 本の紹介、学会設立黎明期の話

格安書籍販売のお知らせ
丸善出版から平成14年に出版された「日本化学会編 教育現場からの化学Q&A」という本をご存じであろうか。
当時東京都立大学の池本先生のご尽力により、関東支部の企画として、現場の先生方の質問について、関連する
大学の専門家がこたえるという問答集の冊子が作成された。これをたたき台として、143からなるQ&Aを掲載したのが本書である。
授業中に出てきた質問ばかりで,教科書の指導書的な存在として出版時注目を集めた。
教科書の章立てに準拠して分野別に編集されており、化学の教師としては、手元に置いておきたい1冊である。
最近は宣伝もしないので在庫300冊を断裁することになり、それを知った,この本の存在すら知らない若手の先生から、購入希望があり、今回広くお知らせすることになった次第である。

定価は税別で2400円ですが交渉の結果税込み800円となりました(さすがに無料にはなりませんでした)。送料は別です。
この機会に是非お求めください。原則期限は11月いっぱいです。在庫300冊です。
氏名、所属、送付先、冊数、メールアドレスなどを、下記メールアドレスに申し込みください。
onegai@kisokagaku.com すでに上記の内容を学会MLで流しています。

学会設立黎明期の話 故きを温めて新しきを知る
研究会にくるメンバーも若い方が増えたので,日本基礎教育学会の設立趣旨を書いた冊子を紹介した。
会則は部分改訂してきているが,実質動きには支障はないので,現状に会わない部分だけを改訂しつつ,
抜本的には時間をかけて改訂作業に入れば良いと考える。
平成2年1月が設立なので,来年平成22年が20周年になる。記念事業を検討すべき時期に来ている。



●田村先生 (慶応女子高等学校) 夏の研修会の報告

(1)ビデオコンテンツの紹介
産業技術総合研究所(産総研)の超臨界流体講座のビデオコーナーにある二酸化炭素超臨界流体のビデオコンテンツを紹介。
以下のURLから、たどることができる。
http://riodb.ibase.aist.go.jp/SCF/sdb/scf/scf_top.html

(2)夏の研修会の報告
平成21年度 全国私立中学高等学校私学教員研修会 理科系研修会 B .化学部会 事例紹介A
「授業におけるPCの活用例 ― 理解を助けるために」の中から、マクロ等を用いることなくExcelの標準的な機能のみを用い、元素データの検索、シミュレーション(中和滴定、状態方程式)、グラフの作成等を試みた事例を紹介した。
また、最外殻電子の周期性のグラフに関連して、同族元素の類似性を考えると、遷移元素の場合は、最外殻のs軌道とその直近のd軌道をあわせて価電子的に考えたほうがよいが、生徒への指導法をどのようにすべきか、参加の先生方からご意見を伺った。


●小坂先生 (大妻中学・高等学校) 

理数系教科研究会(化学)「実験研修会(講師:池本先生)」の案内
1.日  時
 平成21年12月12日(土)午後2時30分〜午後4時30分の予定
2.会  場
 大妻中学高等学校 2階 第2化学室
 (運営担当:小坂美貴子 電話:03-5275-6057)
3.研修内容 「身近なものを用いた化学実験」
  @演示実験:「温度で変わるインクの色」
        「吸水性高分子とおしめ」を予定
  A実験実習:「振動反応」
        「蛍の光(発光反応)」
        「紙おむつを用いた燃料電池」
        「銅電極からの銅イオンの溶出」を予定
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12月研究会のお知らせ

12月12日(土)
16時40分頃より ★大妻中高(渡辺・小坂先生)★場所注意★

最寄駅 市ヶ谷駅 JR中央線・東京メトロ有楽町線・都営新宿線

 〒102−8357 千代田区三番町12番地
 大妻中学高等学校(理科)小坂 TEL  03-5275-6057

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●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

旅行について
大人の社会科見学(化学風味)として1泊2日で行う。
春の旅行の日程 3月29日(月)30日(火) 山梨・甲府方面
金山博物館やワイナリーの見学を予定しています。


会費納入について 

 2009年度会費2000円を未納の方はお早めにお願いします。

郵便振替(青の用紙)
00170−6−727395 日本基礎化学教育学会 
年会費(2009年1月〜12月)の納入にご協力下さい。

 

 



会報 12月号 2009/12/30

中学・高校部会  12月の研究会の概要  1月12日(土)大妻中高化学実験室



会計報告

詳細は郵送される会報にて報告します。



●齊藤先生 (開成学園中学高等学校) 

会計および資料の発送に関して

次年度から、会計を西澤先生(日本女子大附属高校)と西山先生(晃華学園中学高校)の二人にお願いします。

資料の発送に関しては、会費納入の期限を3月末とし、会費の納入とリンクさせて、未納者は紙ベースの郵送を停止します。
詳しくは別紙のようにします。

皆さんのご理解をお願いいたします。



●渡辺洋子先生 (大妻中学高等学校)

教科書WG再開について

3年前に発足した教科書WGの活動が一時中断されていましたが、新たなメンバーで再開したいと思います。
WG参加希望者はメールアドレスを教えてください。メーリングリストを作成します。

  onegai@kisokagaku.com  (所属とお名前をお願いします)

第1回の集まりは1月の半ばを考えています。



●肆矢先生 (國學院高等学校) 

1月の研究会の予定 化学史研究の順序確認(再)

1月より化学史研究の発表を再開します。



●吉田先生 (開成学園中学高等学校)

春の旅行の日程等の告知

3月29日(月)30日(火)山梨・甲府方面
宿泊は下部温泉・下部ホテルを予約。金山博物館やワイナリーの見学を予定。
1月の研究会で詳細を発表したのち、募集します。



会費納入について 

 2010年度会費2000円をお願いします。 

郵便振替(青の用紙)
00170−6−
727395 日本基礎化学教育学会 ★新口座になりました★
年会費(2010年1月〜12月)の納入にご協力下さい。

 


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